「お手入れを頑張っているのに、なかなか肌荒れがよくならない・・・。」
実は、そんな肌トラブルの原因には、日々の食事や生活習慣が深く関係していることがわかっています。今回はそんな「肌トラブル」と「食事」の関係や、「改善予防に役立つ食生活」から「NG習慣」までをご紹介していきます。
肌トラブルは体の内側から
一度トラブルがおこってしまうと、なかなか治らず困ることありませんか?
実は、肌トラブルの原因は、大きく分けてふたつ。ひとつは、身体の「外側」からのトラブル。これは気候やエアコンによる「乾燥」「紫外線」「化粧品かぶれ」などが原因でになります。
そしてもうひとつが、体の「内側」からのトラブル。その要因は「ストレス」「睡眠不足」など様々ですが、とくに重要視したいのが「偏食」です。偏った食生活ばかりを続けていると栄養バランスが崩れ「腸内細菌」のバランスが崩れてしまいます。
改善しない肌トラブルは「腸内環境の乱れ」が原因かもしれません。
肌トラブルと腸内細菌
わたしたちの腸内に存在する腸内細菌は、お肌の健康に深く関わっています。「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」が代表的で、それぞれが異なる働きをしながら、健康的な肌をつくる手助けをしてくれています。ところが、この腸内細菌のバランスが崩れたとき、様々な肌トラブルの要因となってしまう可能性があるのです。
それでは、腸内細菌のバランスを奪う偏った食生活とはいったい、どういう食事を指すのでしょうか。具体的にご紹介していきます。
ジャンクフード
体に良くないとはわかってはいるけれど、やっぱりやめられない!「ケーキ」「スナック菓子」「炭酸飲料などの清涼飲料水」「カップ麺」「フライドポテト」……わたしたちの周りにはジャンクフードと呼ばれる食品があふれています。
ジャンクフードは「高カロリー」で「砂糖」「塩分」「脂肪」「添加物」を多く含み、栄養のバランスは最悪。外食やコンビニ弁当が多かったり、加工食品やお菓子が好きな人は自分の食生活を見直してみましょう。
食品添加物
食品添加物はわたしたちの食卓にとって、なくてはならないものになっています。しかし、長年の摂取により体内に蓄積され続け、正常な細胞の機能サイクルの低下を引き起こすとも言われています。
「そうはいっても、食品添加物を全く口にしないだなんて無理!」それでは次はこの、切っても切り離せない食品添加物と、うまく付き合っていく食事習慣を考えてみましょう。
食品添加物の摂りすぎを防ぐために
①賞味期限の短い製品を選ぶ
極端に期限の長い製品には、保存料や防腐剤が多く含まれているこがあります。品質保持は大切ですが、食べきれる量と日数を考え、安心安全な食品選びを心がけましょう。
②原材料表示を確認する
加工食品やお惣菜などを買うとき、原材料表示を見ることって、あまりないですよね?どのような添加物が入っているのかを知るためにも、表示をチェックする習慣をつけてみましょう。おのずと、添加物が少ない製品を選ぶ意識が癖づいてくるはずです。
③湯通しする
調理前にひと手間プラスするだけで、体内に取り入れる食品添加物の量を減らせる場合があります。例えば、中華麺は炒める前にさっと湯通しをすると、添加されたリン酸塩が茹で汁に溶けだすと言われています。
肌トラブルの改善・予防に役立つ食品
基礎化粧品など外側からのお手入れだけが、スキンケアではないという理由がお分かり頂けましたでしょうか。
とはいえ、気を付けていてもうっかり、肌荒れを起こしてしまった! なんてこともあるかもしれません。それでは次からは、肌トラブルの改善予防に役立つと言われる食品や栄養素についてをご紹介していきましょう。
①食物繊維を多く含む食品
食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。
不溶性食物繊維は、繊維質なイメージで、腸の運動を活発にする作用があります。また便の量を増やして、排便を促す効果もあります。
水溶性食物繊維は保水保持能力があり、腸内環境維持に役立つ善玉菌のエサになるものが多いです。善玉菌が優勢となった腸内では、免疫細胞の働きが正常化します。それが肌トラブルの抑制へもつながってくれるのです。
もうひとつ期待できるのが、便を軟らかくしてくれる効果。お肌の大敵である便秘を解消すれば、ニキビや吹き出物の予防にもつながり、肌トラブルへの大きな予防効果を発揮することになるのです。
②発酵食品
発酵食品には、善玉菌がたっぷり!腸内環境を整えるには絶好の食品であると言えます。
発酵食品は種類も多く効果も様々。例えば乳酸菌に代表されるビフィズス菌は、ビフィズス菌は腸内のpHを低下させ、大腸菌などの有害菌の増殖を抑える働きをするそうです。腸内環境の整った体は免疫力を高め、肌トラブルの改善効果が期待されるのです。
発酵食品は、製品によっても善玉菌の種類や含有量など大きく違うので、まずは数週間ずつ試してみながら、お肌の調子にあうものを探してみましょう。
③ビタミンA(ベータカロテン)を多く含む食品
ベータカロテンは、抗酸化作用が高く、肌荒れや老化の予防に効果が期待できる栄養素です。ニンジン、カボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれるのは有名ですね。摂取量の目安は、一説には1日に100g以上とも言われています。
そこで注目したいのは、調理方法。生のニンジンからの吸収率が8%程度なのに対し、油炒めにした場合はなんと吸収率が70%程度にまでアップするのだそうです。ベータカロテンは、調理法や食材によって吸収率がおおきく変わるのが特徴ですが、吸収率をあげるなら、油脂を使った揚げ物や炒め物がオススメです。
④ビタミンCを多く含む食品
ビタミンCは、水溶性ビタミンの1種でコラーゲンの合成に関与する成分です。
また、美白成分として有名なビタミンCですが、色素沈着の改善効果があり、また抗酸化作用や紫外線に対する抵抗力をもつとも言われています。
ただ、体内で摂取しきれなかった成分は尿中に排出されてしまうので、摂り溜めができません。ただ、過剰に摂取しすぎてしまうと、下痢などの症状を引き起こす場合もあります。成人1日あたりの推奨摂取量は100mgとも言われるそうなので、毎日適量を取り入れるように心掛けましょう。
⑤ビタミンB1・B2を多く含む食品
頑固な肌トラブルのひとつに、毛穴汚れや詰まりがあります。
毛穴対策には丁寧な洗顔と、皮脂コントロールが重要となります。過剰な皮脂分泌の要因には、炭水化物の代謝不良があると言われています。そこでビタミンB1を摂取すると、代謝を助けて過剰な皮脂分泌を抑制する効果が期待されるのです。また、ビタミンB2には、皮脂分泌自体をコントロールする作用がありますので、積極的に取り入れたい食品なのです。
⑥タンパク質を多く含む食品
タンパク質は、皮膚を生成する元となる栄養素です。また、多数の必須アミノ酸から成る非常に重要な栄養素でもあります。
1食あたり50g~60gを目安に摂取することで、代謝アップにも繋がります。タンパク質は、「物性タンパク」と「動物性タンパク」に分けられます。「肉」「魚」「豆類」などをバランスよく取り入れることで、健康的な美肌作りに役立てていきましょう。
脂質やカロリーが気になる場合は、蒸したり茹でたりして調理方法を工夫します。低糖質・低カロリーは、前述の過剰な皮脂分泌の抑制にもおすすめですよ。
肌トラブルを予防! 注意したい食生活
①夜遅い時間の食事
肌トラブルを回避するには、夜遅くの食事は要注意です。
わたしたちの体には、自律神経という機能が備わっています。
交感神経と副交感神経に分れていて、このふたつの切り替えを上手にしてあげることが、お肌のためにはとても重要なのですが、食後3時間ほどは、副交感神経が消化吸収のために活性化します。
その働きが切り替わらない内に寝てしまうと、睡眠中に活性化する体の修復機能が妨げられ、睡眠の質が落ちてしまいます。皮膚の新陳代謝は睡眠中に行われるので、美肌のためには質の良い眠りが欠かせません。自分の生活サイクルをちょっと見直してみましょうね。
②習慣的な飲酒
習慣的な飲酒も肌荒れの原因になってしまいます。
アルコールには利尿作用が伴います。体内の水分が排出されると平常的な脱水状態につながり、その結果、お肌が乾燥してしまうのです。
肌が乾燥すると、ビタミンB1などが皮脂分泌を促し表皮をコントロールします。さらに、飲酒アルコールを代謝するためにビタミンB1を使ってしまいます。習慣的な飲酒は、体内のビタミンB1不足を引き起こし、ひいては肌トラブルへまで繋がってしまうのです。
③欧米型に偏った食生活
近年では、日本本来の和食を見直していこうとする考え方も広く普及してきました。
小麦や動物性脂肪が多くなりがちな欧米食に対し、低脂肪・高たんぱくな「一汁三菜」はその代表です。
バランスのとれた食事は、健やかな生活と健康の基礎とも言える習慣です。また、味噌や納豆・漬物といった発酵食品は腸内活動を助け、美肌の維持に最適です。和食中心の食生活へシフトすることは、肌トラブルを未然に予防する第一歩ともいえるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?肌トラブルのない美しい肌を手にするためには、毎日の食事がとても重要なカギとなります。
スキンケアだけで改善されない肌トラブルには、体の内側からもアプローチしてみることが大切です。お肌の調子がいいと、それだけで気持ちよく過ごせますよね。
これからも、体の「外側」と「内側」から、素肌美人を目指していきましょう!